uutoutou-nonverbalシリーズ

「ウートートー」とは沖縄の方言で、先祖に祈りを捧げ、敬意を表し、加護や導きを願う行為を指す。

このシリーズの着想は、後藤了子が沖縄で体験した個人的な経験に基づいている。親友の実家を訪れた際、帰京時に親友の家族が後藤了子のためにも旅の安全を祈ってくれた。その温かな祈りは、東京で生まれ育ち、人間関係が希薄に感じていた彼女にとって、人と人とのつながりに対する新たな視点を与え、強い印象を残した。

最初のウートートーの作品は、2008年にGEISAIで展示され、南アフリカ・ケープタウンからの大作制作依頼につながった。2025年時点で、この作品が彼女の最も大きな作品となっている。

制作を重ねる中で、より普遍的な意味へとつながるよう、シリーズ名に普遍的な非言語という意味を込めて「nonverbal」を加えることとした。

このシリーズでは、より抽象的に油絵の多層的な色彩や質感を通じて、言葉では表現しきれない繊細な感情の機微や深みを描き出すことを目指している。